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腐れた女の子の言いたい放題言うブログ


by knstir
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CRUSH!の感想

去年の12/7に書きました90年代ヴィジュアル系の名曲をネオヴィジュアル系がカヴァーするVrockコンピ、CRUSH!を入手しましたので、レビューしたいと思います。
前提としてあたしはこのリストの全てのカバーされた側もカバーした側も「大好き!大贔屓!」っていう思考が偏りそうなバンドが無いということをお伝えしておきます。Dirは音源沢山持ってる方で好きだけど神バンドではないんですw
あたしはあくまでヴィジュアル系が書く「曲」の曲調が統計的に好きなメロディなことが多いのでヴィジュアル系を好んで聴くけれど彼らの容姿やキャラ設定、人間関係や性格はまったく興味がありません、だからライブにも行きません、というヴィジュアル系全否定系のバンギャです。いえ盤ギャですw

全体評としてはかなり良いCDでした。hideトリビュートみたいに歌詞カードにカバー元へのコメントとか載せてないのが残念ですが、結構デザイン的にも内容的にもブックレットは必要最小限のことは揃えてて好印象でした。

あと原曲とCRUSH!を聞き比べて感じたこととして90年代は耽美や歌謡的なメロが多いけど00年代はメロがハードかポップになってますね。ついでに90年代のボーカルは相当高音ボイスだったりクセのありまくりな個性のある声でしたけど00年代はそこそこ低め(でもJ-POPと比較すれば高いです)で声が素直ですね。個性はあってもクセはない。
ついでに90年代って結構皆「必死」さがあったんですけど、00年代はそれがない気がします。
よくも悪くも冷めていて「他人事」のように歌うので、BGM的には心地いいですね。

では各曲の感想です。順番通りで!

1. ピンクスパイダー(hide) / heidi.
掴みの1曲目ですが、これが1曲目はかなり良いチョイス。
キャッチーですし、カッコイイです。hideトリビュートとかでもピンクスパイダーのカバーは聞いてましたけど一番いいアレンジじゃないかな、と思いました。
途中でメロがブレイクするのもカッコイイ。ただ掛け声入れたいところ(たとえばイントロと歌い出しの間、生きを抜くような声を入れたい。1メロと間奏の間にもアウ!的な声を入れたい)が無声だったり女性のセリフ部分が歌詞カードにはあるのに、無声だったりするのは残念…。
そういえば90年代ヴィジュアル系では女性セリフが入る曲が多かったけど最近そういうの無いですね。
そもそもセリフが入る曲があんまりない。
でもオリジナルにあるような必死さが無い。
hideの時は「行きたいなあ」とかがほんとに空を掴みたくなるような切実さがこもってたんですけどね。

2. 街(SOPHIA) / ドレミ團
ノリは原曲のコピー的な感じで受け入れやすいです。個人的にSOPHIAの松岡くんの声ってクセありすぎて好きじゃなかったので00年代の歌い方のモデルみたいに歌うドレミ團版の方が好きです。
大学の文化祭コピーバンドって感じですね。素直に上手い。

3. Melty Love(SHAZNA) / BugLug
これは上手いこと料理した!耽美でカマ臭かったメルティラブを00年代白系ヴィジュアル系がよくやる、行進曲的青春ポップに改変しましたよ。
ギャルのメルティラブからJKのメルティラブへ変身って感じ。
原曲はちょっとドロッとした情念が混じってたんですけど、すっかり毒気も抜けて野外フェス向けに!
青空の下でキャンディカラーのポップな衣装でぴょんぴょん跳ねながら歌う元気ソングへ大変身ですわ。

4. 1/3の純情な感情(SIAM SHADE) / NoGoD
これは…ちょっと無いです。全体的にキーを2つほど上げてるんですけど、それゆえに歌い出しが全然違って、原曲知ってる人が聞くとコレジャナイ感満載で拒否反応が出ます。一瞬オンチ?!ってなっちゃう。
これも原曲に混じる「こんなに伝わらなくってどうしよう!?」っていう焦燥感が一掃されて「こんだけ好きなんだぜーすごいだろー」と完全肯定ソングへ大変身してます。
原曲は2/3伝わらないことへの苦悩だったんですけど、カバーは1/3しか伝わらない位に強烈な感情がいだけちゃう俺素敵!っていうポジティブ感が押し出されてます。

5. 月下の夜想曲(MALICE MIZER) / D
これも良いカバー。
そもそもDはこういう耽美ロック得意ですしね。
ただただお耽美な舞踏会くさかった原曲をハードロック調に変更してます。でも耽美さがゼロになってるわけではなくいい感じに耽美で、強い酒のストレートを水割りにした感じ。
原曲はちょっと聴きづらかったので、リズムを強調したカバーのほうが好きです。

6. STORM(LUNA SEA) / 少女-ロリヰタ-23区
これもカッコイイです。ルナシーの曲は好きなんだけど、河村隆一のナルシストボイスがむかつくっていう人にはおすすめしたい。
曲のかっこよさのエッセンスは抽出しつつも現代の流行りを取り入れつつ、ナルシストのアクを抜くというアレンジの上手さが、まるで彼女のちょっとマズメの手料理ディナーが余った時、彼女の機嫌を損ねないようにうまくアレンジして翌日のランチに出来ちゃう彼氏って感じです。つたわらねえ例えだwww

7. 紅(X JAPAN) / 摩天楼オペラ
X JAPANのボーカルの声が高すぎてイライラする人にはとってもおすすめしたい。TOSHIの声アク強いんだよ!っていうね。
これSTORM同様、曲のかっこよさを尊重しつつ現代風にかっこ良くしてます。
同じベルボトムなんだけど昭和と平成のデニムは違うでしょ!って感じ。
ただまぁ…Xに比べると若干安っぽい音になっちゃってると思うのはすでにXが伝説的なバンドになっちゃってるっていう先入観もあるかもしれませんね。
あとTOSHIの声はクセ強くて人を選ぶ反面、「くーれないーにそーまったぁこーのおーれをーーー!」って言う時の感情のこもり方とか鬼気迫るものがあって、聴いてるだけどいろんな感情が伝わりますが、
摩天楼オペラ版にその鬼気は一切ございません。
上手いカラオケって感じ。

8. With-you(La'cryma Christi) / DaizyStripper
高い。声がなよなよしい。
音もかなりポジティブポップになってて、ひょろめの女形ヴィジュアル系曲に変身って感じです。
・・・daizystripperは別に女形バンドじゃないですけどね。
悪くはないんですけどねぇ。

9. Winter,again(GLAY) / 12012
完全コピーです。ものまね歌合戦優勝です。
そもそも元々12012の歌はGLAYに似てましたが。(ちなみにサディもGLAYに似てます)
歌い方もクセも曲も完全コピーです。これだけ原曲収録してても気づかないだろうw

10. ロマンス(PENICILLIN) / アンド
そこそこカッコイイ。でも同じロマンスのカバーならnanoのセルフカバーの方がカッコイイ。
ペニシリンにあった「愛に気づいてください!!!」っていう必死さがアンドには無いw
ペニシリンのボーカルってある意味ヘタウマなんですけど、アンドだとウマイになっちゃった。
曲調はちょっとハードになりました。オサレになったっていう印象です。
これでマサルさんのOPは無理。
ロマンスの一番いいところは「愛に気づいてくだっさっい!!」っていう必死さだったんですけどオサレになっちゃって台無しですw
武田鉄矢の百一回目のプロポーズ最終回の「僕は死にましぇーん!!」のシーンが
山Pがクールな表情でトラックの前で華麗に静止し、女のほうをクルっとターンで「俺は…死なないぜ…」って囁くっていうシーンに変更されたような残念さがあります。

11. S.O.Sロマンティック(CASCADE) / Mix Speaker's,Inc.
これは似て非なるものです。
別物になっちゃったアレンジですがこれはこれでとても良いものです。
あれはあれ、これはこれ!って感じ。どっちもいい。比べるものじゃない。
原曲のちょっと狂人くさかったサブカル臭が、ポップに計算されつくしたサブカルへアレンジされてます。
例えるなら生前売れなかった狂人芸術家の絵と、それを真似た現代アーティストの絵ですね。

12. ENDLESS LOVE(D-SHADE) / LOST ASH
これは良いアレンジ。完全コピーに近い形で現代に合うようにリメイクできてます。
おばあちゃんの大正時代のモダン柄着物を、レース付き長襦袢や現代モダンの帯やブローチの帯留めをあわせて着こなす現代のお嬢さんって感じです。

13. Schweinの椅子(DIR EN GREY) / MERRY
これも似て非なるものです。Dirにあった暗い狂気はだいぶ無くなってます。メリーはメリーなりに狂気仕込んでますけど。
原曲のセリフとかシャウトや裏声が無くなってますし。例えば「誓いなさい」とか「抗原抗体反応」とかw
でもピンクスパイダーと違って、こちらはあえてシャウトやセリフをカットしているという印象。
俺が京様のシャウトを真似すること自体おこがましいよ!っていう謙虚さが感じられます。
でもこれはこれでよし。
メリーなりのDIRへの敬愛が詰まってて、聴いていてうれしくなる感じです。
そもそもメジャーでもなんでもないこの曲をカバーする時点でかなりの勇気とこだわりを感じられて初期点数が高いんですけど。

14. JUPITER(BUCK-TICK) / DuelJewel
原曲に比べてだいぶ声が優しくというか穏やかになってます。
いや曲も優しくなってます。イージーリスニングな癒し系ですね。
でも別物ってほどの改変はなくてオリジナルファンにも配慮してますよっていうリスナーへの優しさもあります。全部がやさしいww
今までの曲がなんだかんだでハードだったのでここで一旦休みましょうっていう意図なのかな。
でもラス曲も言うほどハードじゃないけどな。

15. 夢より素敵な(Raphael) / DOG inTheパラレルワールドオーケストラ
ラストにふさわしい感じです。楽しくお別れだよ!って感じ。
ボーカルの音圧が低くて、なんだかペラペラしてます。剥がれて落ちそう。
原曲の声にある骨太とまでは言いませんけど厚みがないので頼りない!
これもメルティラブほどではないですけど、ポップ青春系になってます。
原曲のリスナーを置いていきそうなラストへかけてのサビにある必死さはやっぱし無くなってます。
JKのバンギャと一緒に手扇子で盛り上がる系。ダイブとかヘドバンとかで痣ができることはなさそうな平和曲ですw
気楽に合唱できる、フレンドリーなアレンジですね。
by knstir | 2011-01-30 00:27 | 音楽